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HR駆け込み寺

【第2回】採用時に会社のネガティブなことをどこまで伝えたらよいでしょうか?

Q.採用時にネガティブな(企業の本当の部分を見せる)ことも入社直後の退職を避けるポイントになると思いますが、どこまで伝えたらいいでしょうか?もしくは包み隠さず見せたほうがいいのでしょうか?

A.ネガティブなポイントも伝えるべき!ただし、伝えるメディアやタイミングは慎重に!

RJP(リアリスティック・ジョブ・プレビュー)と言って、企業が採用活動のときに学生に対して仕事や社内の雰囲気などについて、ポジティブな面とネガティブな面の両方を伝えることは必ずやったほうがいいです。これをしてあげないと、学生が入社後に理想と現実のギャップに悩んでしまい、メンタル面に不調をきたしかねません。結果として、仕事のモチベーションが低下し、退職につながってしまいます。

ただし、ネガティブな面を伝えることに関しては、ある程度選考が進み、人数が絞られた段階で、学生と1対1のコミュニケ―ションをする中でやるべきです。説明会やホームページ、パンフレットなどは多くの学生が見るので、そういった媒体ではネガティブな面を打ち出すことは止めましょう。自社のコーポレートブランドから考えても、採用するかどうかわからない学生にまで、ネガティブな面を明らかにする必要はありません。

まずは、自社の売りをきちんと伝えて、興味を持ってもらいましょう。ある程度選考が進み人数が絞られた段階で企業の実態を伝えていきましょう。その際も、内定を出すかもしれない学生に対して、キャリア観や趣向を考えながら、丁寧に説明することが大事です。どういった面がポジティブなのか、ネガティブなのかは学生の価値観によって変わります。その価値観を見極めたうえで伝えましょう。

人事のセオリーの伝道師からの金言

学生にはポジティブな面とネガティブな面の両方を必ず伝えるべき。ただし、ネガティブな面については、1対1のコミュニケーションの中で、学生の価値観を見極めながら説明するようにしましょう。


Q.内定者、もしくは選考中の学生との連絡のやり取りは、いつごろがよいでしょうか?やはり遅い時間は避けるべきでしょうか?

A.夜遅い時間の連絡は控えるのが賢明です。悪い印象を与えてしまうリスクを取る必要はありません。

学生との連絡のやり取りで問題となっているのが、遅い時間に連絡をすると、「過剰労働である」という印象を与えてしまうことです。しかも、学生によっては遅い時間にあえてオフィスに電話をかけてみたり、電気が点いているかオフィスを見に来る学生までいたりします。そういったこともありますので、早朝や夜遅い時間の連絡は避けたほうが無難です。会社によっては、18:00以降の連絡は禁止というところまであります。

また、上記のRJP(リアリスティック・ジョブ・プレビュー)とも関連して、常識の範囲内で遅い時間(18:00以降)に学生へ連絡して、「残業がある会社という印象を持たれても構わない」と割り切って対応する方法もあります。もちろん、長時間労働は推奨していないという考えが前提です。

ただ、急ぎの連絡は別として、内定を辞退されるかもしれないリスクを取って、いつでもいい内容の連絡を夜遅い時間にする必要はありません。

人事のセオリーの伝道師からの金言

基本的に夜遅い時間帯に連絡することは控えましょう。内定辞退のリスクをわざわざ取る必要はありません!


Q.新卒採用と中途採用を両方やっていますが、マンパワーが足りません。どちらかにしようと考えていますが、何か良い対応策はありませんか…。

A.新卒と中途を比べたときに、どちらが採用しやすいのかを考えましょう。そのうえで、会社の採用活動に合わせて、新卒採用と中途採用に力を入れる時期を決めましょう。

マンパワーが足りないということですが、2つの対応策が考えられます。まず、1つ目は採用のしやすさの観点から見比べることです。業界や職種別にセグメントして、新卒と中途のどちらが取りやすいのかを比べてみましょう。

多くの方が、「新卒は育成のコストがかかり、中途は即戦力」というように考えていると思いますが、中途で採用したとしても即戦力になるかどうかは別です。例えば、営業で考えると、入社直後の新卒は名刺交換のような基本的なことから教えることとなります。しかし、基本的な業務を覚えた半年から先の成績でみると、新卒社員の方が中途社員の方より結果を出しているというケースは十分にありえます。こういったケースもあるので、中途が結果を出すのが早いとか、新卒は結果を出すのに時間がかかるとは一概に言えないと思います。

また、中途で採用した社員は新卒に比べると、前職の働き方や考え方が沁みついています。一度沁みついた働き方や考え方をいったん忘れて、新しい会社の文化に馴染むまで時間がかかる可能性があります。文化の強い会社だと馴染むのに時間がかかるので即戦力とは呼べません。文化の強い会社というのは言い換えると「排他的」とも言えます。そういった会社だと、新卒には手厚いけど、中途には「お手並み拝見」という姿勢を取っている場合もあります。後から入社した人が会社の文化や価値観に合わせることになるでしょう。前職の考え方などを一度捨てて、新しい会社の文化や考え方をインプットするのに時間がかかります。ゆえに、文化や価値観という面からみても、中途で採用した社員が即戦力かどうかは一概に言えません。

もう一つの対応策は、新卒採用と中途採用の時期を分けて、マンパワーを分散させることです。人が一番動く時期は4月と10月です。新卒だと、一括採用を行っている会社では4月に入社します。中途に関しては、転職を考えている人が動くかどうかは6月と12月のボーナスに影響されます。例えば、6月にボーナスをもらい、7月、8月、9月で転職活動をして、10月に新しい会社に入社、もしくは12月にボーナスをもらって、1月、2月、3月で転職活動というパターンが多いです。

会社によって、新卒採用が忙しい時期と中途採用が忙しい時期は違うと思います。新卒と中途のオンボーディングがしっかり行えるように、どの時期に忙しさのピークを持ってくるのか、どの時期に新卒採用と中途採用に力を入れるのかは、時期がかぶらないよう臨機応変に対応してください。

人事のセオリーの伝道師からの金言

まずは新卒と中途のどちらが採用しやすいのかを見ることが大事!採用のしやすさを見極めたうえで、どの時期に新卒採用、もしくは中途採用に力を入れるのかを会社の採用活動に合わせて考えましょう。


今回の回答者
曽和利光氏 Toshimitsu Sowa
(株式会社人材研究所 代表取締役社長)

曽和利光氏

大手企業の人事・採用部門責任者を務め、主に採用・教育・組織開発の分野で実務コンサルティングを経験。約20年の人事歴を活かし、多数の就活・面接対策セミナーの講師を務める。また著書も多数出しており、全国の人事担当者の愛読書となっている。


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