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労務100番

管理監督者から残業免除の申請があった場合、残業を免除しなければならない?

当社の衛生管理者の女性が妊娠しました。役職手当は支払っていますが、時間外割増手当等は支払っていません。この女性から、残業免除を申請されましたが、残業を免除しなければならないでしょうか?
なお、待遇は管理職並みです。

【結論】真正な管理監督者であれば、時間外等の免除は適用なし。請求があれば深夜残業は不可

事業者は、衛生管理者(安衛法12条)に対し、衛生に関する措置を成しえる権限を与えなければなりません(安衛則11条)。衛生に関する業務(安衛法10条1項)には、作業環境の衛生上の調査、作業条件、施設等の衛生上の改善、保護具、救急用具等の点検などが含まれると解されています(昭47・9・18基発601号の1)。

役職手当を支払い、時間外割増賃金は支払っていないということですが、2通りの考え方があります。

1. 管理監督者ではなく、手当は時間外見合いとなっている

衛生管理者が、労働管理の権利と義務を有し、かつ使用者系統に属するものであるとしても、自動的に労基法41条の管理監督者に該当するわけではありません。「個々の管理者の労働の態様により」判定されます(昭23・12・3基収3271号)。
賃金等の待遇面も無視できません。時間外見合いであれば、具体的にいくらであったか明確にしておくべきでしょう。

2. 真正の管理監督者である

部長等労働条件の決定その他労務管理について経営者と一体的な立場にある者(労基法41条2号)は、労働時間、休憩、休日に関する規定は適用が除外されます。
使用者は、妊産婦が請求した場合において、所定労働時間を超えて労働させてはならない(法66条1項)、法36条の規定にかかわらず時間外・休日労働をさせてはならない(2項)、深夜残業をさせてはならない(3項)といった規定があります。
ただし、「法41条に該当する者には、66条1項・2項の規定は適用がない」(昭61・3・20基発151号)と解されています。したがって、深夜業(3項)のみ制限の対象になります。

まとめ

1.管理監督者でないときは、時間外等の免除の請求を受けざるを得ません。
一方、2.真正な管理監督者であれば、時間外等の免除は適用がありません。深夜業の免除のみ、請求可能となります。衛生管理者が不在になる場合、許可が必要とされています(安衛則8条)。
退職等特殊の事由により欠員を生じ、その充足に期間を要することがやむを得ないと認められるときは、「特定の者を衛生管理の業務に従事させることを条件として、かつ、期間(おおむね1年以内)を限って許可する」としています(昭23・1・16基発83号)。育休を想定して代替者の選任も検討が必要でしょう。


【記事提供元】安全スタッフ2017年6月15日号
http://www.rodo.co.jp/periodical/staff/

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