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労務110番

遺族補償年金は、再婚すると支給が打ち切られますか?

業務災害により死亡した従業員の妻が、遺族補償年金を受給しています。この度、妻が再婚することとなったようです。
この場合、遺族補償年金は今後打ち切られることになるのでしょうか。被災者と妻の間には子どもがおり、被災者の母は存命とのことです。

【結論】遺族補償年金においては受給資格の消滅にともない、子や親に“転給”する可能性があります。受給できる遺族の範囲と順位、権利の消滅要件などをまずは確認してもらいましょう。

遺族補償年金を受け取る資格がある遺族(受給資格者)になれるのは、労働者が死亡した時、その収入によって生計を維持していた労働者の配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹です。
ただし、そのすべてに支給されるわけではなく、受給資格者のなかで最も先の順位の人(受給権者)にだけ支給されます。順位が同じ受給権者が複数人いる場合は、等分した額がそれぞれの受給権者に支給されます。
受給権者が以下のいずれかに該当すると、受給資格は消滅します。

  1. 死亡したとき
  2. 婚姻したとき(事実婚を含む)
  3. 直系血族または直系姻族以外の者の養子となったとき(事実上の養子縁組関係を含む)
  4. 離縁、養子縁組関係の解消のため、死亡した従業員との親族関係が終了したとき
  5. 子、孫、兄弟姉妹については、18歳に達する日以後の最初の3月31日に達したとき
  6. 一定の障害の状態にある者(妻以外)については、その事情がなくなったとき(年齢要件を満たす場合を除く)

今回は再婚するというケースですので、上記2.に該当し、遺族補償年金の受給権は消滅することになります。

まとめ

このように受給権者が失権した場合には、受給権利のなかった後順位者が受け取るようになる“転給”という制度があります。

今回のポイントは、妻と被災者との間に生まれた「子」がおり、被災者の「母」が存命だという点です。
遺族補償年金を受給できる遺族の範囲と順位は労災法16条の2で定められており、転給要件に該当した場合は妻に替わって「子」または「母」が
新たな受給権者となります。

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