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労務110番

「労働時間中に選挙に行きたい」と言われたら、どう回答したらよい?

当社はブライダル事業をしており、毎年11月が繁忙期となります。昨日、ある従業員から「11月に行われる選挙に行きたいので、業務の途中で抜けてもいいですか?」と聞かれました。業務量を考えると、仕事を抜けられるのは正直困ります。この申出を断ることは可能でしょうか?

【結論】労働時間中に従業員が選挙へ行くことを拒むことはできません。

ただし、選挙行為の妨げにならない範囲であれば、従業員から請求された時間を変更することは可能です。選挙以外にも「公民としての権利」と「公の職務」に該当する行為も扱いは同じです。

公民としての権利

・選挙権
・被選挙権
・最高裁判所裁判官の国民審査
・行政事件訴訟法に規定する民衆訴訟
・公職選挙法に規定する選挙または当選の効力に関する訴訟
 など

公の職務

・衆議院議員その他の議員の職務
・労働委員会の委員の職務
・労働審判員の職務
・訴訟法上の証人としての出廷
・選挙立会人の職務
 など

「公民としての権利」で挙げられている民衆訴訟は、法秩序の維持もしくは行政の適法性の確保を目的としています。自己の利益を目的とした一般的な訴訟は、「公民としての権利」に該当しません。

法律で決まっているとはいえ、多忙な時間にいきなり仕事を抜けられるのは困るでしょう。そこで労基法7条では、「権利の行使または公の職務の執行に妨げがない限り、請求された時刻を変更することができる」とも定められています。
つまり、選挙に行ける範囲であれば、従業員が仕事を抜ける時間を変更できるのです。飲食店であれば、ピークとなる昼食や夕食時をはずせます。

選挙に行くための時間を与えた場合、「業務を抜けた時間も給料を支払わないといけないのか?」と気になる方もいらっしゃるでしょう。
結論からいうと、業務を抜けた時間に対して給料を支払う義務はありません。ただし、就業規則の記載内容によっては支払わないといけなくなる可
能性があります。「不就業の時間についての賃金は支払わない」といった記載をしておかなければいけません。


【記事提供元】安全スタッフ2017年6月15日号
http://www.rodo.co.jp/periodical/staff/

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