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労務110番

条件つきでの解雇予告は有効?無効?

勤務態度が非常に悪い社員がいます。1ヵ月前に解雇予告をした上で、予告期間中に勤務態度が改善されれば解雇せず、改善されなければ解雇をしたいと考えています。可能でしょうか?

一般的に、条件をつけた解雇予告は無効!

法律上、解雇の意思表示は約定解除権(あらかじめ契約で定めた解除権)の行使に当たります。そのため、民法540条第1項・第2項が適用され、『労働基準法に基づき行われた使用者の解雇の意思表示は、労働者に到達した時点で効力が発生し、労働者の同意がない限りは取り消すことはできない』とされています。

仮に、ご質問のケースのように『勤務態度が改善されたら解雇を取り消す』という内容で解雇予告を受けた従業員は、“真面目に勤務すれば解雇が取り消される”と期待するでしょう。その結果、次の職場を探さないまま予告期間満了で解雇となる可能性もあるのです。

また反対に、解雇予告を受けて新しい職場を決めたにもかかわらず、解雇予告を撤回され、引き続き勤務することを求められる可能性もあるでしょう。

このように、条件をつけて解雇予告をすると、労働者の立場が極めて不安定な状態になります。そのため、条件つきの解雇予告は適法だと認められない可能性が高いのです。仮に、条件つきで解雇予告を行い1ヵ月後に解雇した場合、解雇予告を行ったと認められず、30日分の解雇予告手当の支払いが必要になる可能性もあるので、注意しましょう。

民法540条第1項

『契約または法律の規定により当事者の一方が解除権を有するときは、その解除は、相手方に対する意思表示によってする』

民法540条第2項

『民法540条第1項の意思表示は、撤回することができない』

解雇予告手当って何?

使用者が労働者を解雇する場合は、少なくとも30日前に解雇予告をしなければなりません。仮に30日前までに解雇予告をしなかった場合、“解雇予告手当”として30日分以上の平均賃金を支払う必要があります(労働基準法20条第1項・要約)。

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