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入院の直前に標準報酬月額を改定 傷病手当金に影響はある?

随時改定により標準報酬月額が上がった従業員がいます。しかし、改定があった当月中に病気になり、しばらく入院することになりました。この場合、傷病手当金の計算や社会保険料の支払いに影響はあるのでしょうか?

【結論】休業開始月を含む“直近12ヵ月分の標準報酬月額”をベースに傷病手当金を算定します。

また、休職中も改定後の標準報酬月額に基づく社会保険料が徴収されます。

傷病手当金の算出方法

傷病手当金は、業務外の事由による病気やケガの療養のため、4日以上(※1)仕事を休職し収入を得られなかった場合に、4日目から最長1年6ヵ月間支給されます。健康保険独自の制度であるため、国民健康保険加入者は受給できません。

なお、傷病手当金の額は『標準報酬日額の3分の2に相当する額』と規定されています(健康保険法99条)。“標準報酬日額”は『支給開始日の属する月を含む、直近12ヵ月の標準報酬月額平均÷30日』で算定します。

たとえば、今年4月に標準報酬月額が上がり、当月中に病気のため傷病手当金の支給が開始されたとします。この場合、『標準報酬月額が上がった4月を含んだ直近12ヵ月分』をベースに傷病手当金を算出することになります。

休職中も社会保険料は減額されない

今回のケースでは、すでに支給開始日の時点で標準報酬月額が改定されています。病気による休職のため、実際に支払われる賃金は大幅に減少するでしょう。しかし、仮に無給となったとしても、休職期間中も社会保険料は減額されません。会社・従業員ともに、改定後の標準報酬月額を基準とした社会保険料の支払い義務が発生します。

仮に休職中に賃金の支払いがなければ、給与から社会保険料を天引きすることはできません。そのため、従業員負担分をどのように徴収するのかを、あらかじめ就業規則に定めておくようにしましょう。

また、傷病手当金についても実際の賃金額が下がったからといって、休業開始時に決定した支給額から減額されることはありません(標準報酬月額そのものの再改定があった場合は除く)。

(※1)連続する3日間を含むこと。なお、この“4日以上の休職”には、年次有給休暇や法定休日や所定休日も含まれます。

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