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従業員の兼業禁止は強制できない!?

従業員が勤務終了後、別の会社でアルバイトをしていることが判明しました。その従業員が、アルバイトの疲れからか居眠りをするなど、業務に支障が出ています。アルバイトをやめさせることはできるのでしょうか?

兼業禁止の強制は基本的にできない

民間企業の場合、法律的に兼業は禁止されていないため、強制的に兼業をやめさせることはできません。しかし、兼業に対する制限や禁止事項などは『就業規則等の具体的定めによることになる(小川建設事件 東京地決昭57.11.19 労判397-30より)』ため、今回のご相談では“会社の就業規則にどう定められているか?”によって、兼業をやめさせられるかどうかが変わってきます。

そもそも従業員を雇用するということは、『所定の労働時間働いてもらい、その対価として給与を支給する契約を結ぶ』ことになります。そのため、従業員は契約で決められた時間働く義務はありますが、就業時間外は従業員の自由な時間となるため、兼業を全面的に禁止することは基本的にはできないとされています。

一定の条件下では、兼業を禁止させることも可能

しかし、あらゆる状況で兼業が容認されるかと言えば、そうではありません。従業員が兼業することによって会社の信用が傷つけられたり、会社で適正な労働ができなかったりすることを避けるために、従業員の自由な時間の利用について一定の制限を課すことに妥当性が認められると考えられています。したがって、兼業については“会社の承諾を要するという内容を就業規則に記載することが望ましいでしょう。

しかし、就業規則を整備することで、懲戒処分及び解雇をすることができます。その場合は、

1.「業務に支障の出ない範囲でできないか」などを聞き取りした上で就業規則に基づく懲戒処分を行う
2.  改善しない場合は、普通解雇する

といった手順を踏まえ、突然解雇をするといったことは避けることが賢明です。

兼業に対する新しい理解が求められる

何年働いても賃金が上がらなかったりと、一つの会社で働き続けているだけでは家族の生活を支えることが厳しく、やむなくアルバイトなどでその補填をしている可能性もあります。一方で、ネガティブな意味ではなく、自らの成長や人脈作りのために兼業を志向する人も増えています。

このように、雇用環境は多様化の一途をたどっています。 今後は、兼業が会社に及ぼすリスクを認識しつつも、一律に兼業を禁止するのではなく、その内容や業務への影響などを勘案し、兼業を許可制にするなど、従業員にも納得のいく制度を設けることが重要になってくるでしょう。

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