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労務110番

欠勤するようになった社員には、どんな言葉をかけたらよい?

1カ月後に退職を控えている社員のあまりにも悪い勤務態度に、つい「やる気がないならもう帰れ」と言ったところ、次の日から欠勤するように。連絡を取り「そのような態度ならもう辞めるか」と聞くと、「解雇扱いで辞める」と主張してきました。この場合、解雇になるのでしょうか?

どのような意味だったかで判断は変わる

近年、パワーハラスメント(パワハラ)の予防や解決の気運は高まっており、会社内でも、うかつに感情的な態度を取ったり、きつい言葉を投げかけたりすることは減少傾向にあるようです。とはいえ今回の事例のような、上司が部下に対して発する「やる気がないなら帰れ」などは、まだまだ叱責の常套句といえます。
ただそれらは多くの場合、反省をうながす意味合いのものであり、ここで部下のリアクションとして求められているのは、真摯な謝罪や「これからは頑張ります」などの言葉です。

しかし近年は、上司の「もう帰れ」に対し、部下が「わかりました」と本当に帰宅したり、欠勤するようなことも起きているようです。

確かに「もう帰れ」という言葉だけを見れば「もう来るな」や「すぐ辞めろ」と受け取る可能性はゼロとは言えず、その解釈が認められれば解雇扱いとなる可能性はあります。

もちろん「もう帰れ」と言った人の人事権の有無や、「もう帰れ」が業務命令としてのものなのか懲戒処分としての出勤停止という意味を含んでいたのかによっても、その後の判断は変わってきます。

スムーズな退職のためにもフォローが必要

今回のケースでは「もう帰れ」の後にもう一度、退職に関連した言葉のやり取りがありました。

出勤しなくなった後に連絡を取った時の「そのような態度ならもう辞めるか」は、「当初の退職の予定時期より早めに辞めるか」という意味の確認行為と解釈できます。これは会社の一方的な意志で契約を解除する解雇ではなく、条件を提示して退職してもらう『退職勧奨』に当たります。

退職勧奨は社員の合意がなければ成立せず、また、納得して退職してもらうならば、解雇予告や解雇予告の手当は必要ありません。このやり取りだけで判断するのであれば、『退職勧奨による退職』という扱いは可能です。

ちなみに、もし最初に退職の意思確認にあたる「もう辞めるか」と言うのではなく、「出勤しなさい」と要請したうえで本人から退職の申し出があれば、それは『自己都合退職』扱いとなっていました。

いずれにせよ、このケースで社員が1カ月後にスムーズに退職するためには、やはりフォローとして、最初の「もう帰れ」は帰宅命令や解雇命令の意図ではなかったこと、その後の「もう辞めるか」も退職勧奨であったことを伝える必要があります。そのうえで部下の返答を待ち、対応していきましょう。

上司と部下とは、必ずしも円満な関係が築けるとは限らないものですが、職場の雰囲気を良好に保つことは、従業員のモチベーションにもつながってきます。上司として、日頃からの円滑なコミュニケーションはなるべく心がけたいものです。

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