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退職代行業者からの突然の連絡。どう対応したらいい?

従業員が突然無断欠勤し、連絡を取ろうとしたところ、退職代行業者から連絡があり、「本日付で退職したい。本人には連絡しないでほしい」といわれました。退職を受け入れないといけないのでしょうか? また、本人に直接連絡することはダメなのでしょうか?

退職代行業者にできることとは?

会社と本人の間に入って、退職の申出の代行や退職手続きの補助(主に本人への伝達など)を1回数万円で行うサービスが、近年話題となっています。

業者の働きかけにより会社側が退職を認めれば、本人から退職届が郵送され、退職の手続きを進めることになります。社員は会社に来ることなく、上司と直接話をすることもなく、突然退職できてしまうわけです。

ただし、業者の多くは退職の意思表示や連絡代行をするのみというスタンスで、退職日の交渉や未払い残業代の請求、年次有給休暇の買取などの交渉は行うことができません。これは、弁護士法第72条に『非弁行為の禁止』というものがあり、弁護士以外の人が報酬を得て法律にかかわる仲裁や和解の交渉をすることが法律で禁じられているためです。

そのため、有休の消化や退職日の交渉について、弁護士による退職代行ではなく業者が連絡してきた場合は、「本人と直接話します」といって交渉を断って構いません。

また、この業者が本当に従業員と退職代行契約を結んでいるのかの確認も必要です。もしその確認なしに退職の手続きを進め、本人の意思ではなかったことが退職の手続きのあとでわかった場合は、会社の責任になります。業者には、必要な証拠の提出を求めるべきでしょう。

また、「本人に連絡をしないでほしい」といわれた場合についても、必ずしもこれに従う必要はありません。退職代行業者と退職手続を行わなければならないという決まりはありませんので、業者を通さず、本人に直接連絡を取り手続きを進めることも可能です。

とはいえ、このような場合、退職代行業者を使うほどの精神状態ですから、本人に連絡がつかないことも多いでしょう。連絡が取れないまま会社への返還物が戻ってこないなどの事態になるおそれもあるため、業者を窓口にするのも一つの手といえます。

日頃から風通しのよい職場づくりを

経営者としては、このような業者からの申し出で退職を認めるのは納得がいかないと思います。退職理由を本人から直接聞き、必要な引き継ぎなどを行ったうえで退職してもらいたいと思うでしょう。

しかし、そのような形でしか退職を言い出せなかったことについては、会社として何か見直すべきところもあるかもしれません。

退職代行業者の利用者には、上司に恐怖心を抱くなどして退職自体を言い出せないケースもあれば、退職を申し出たものの会社側から拒否されたケースもあるようです。

このような形での退職を防ぐには、働きやすく風通しのよい職場づくりを心がけ、日頃から社員と積極的にコミュニケーションを取るなどして、社員が抱える悩みや不安に早めに気づくことが大切です。

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