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オンボーディング

2019年10月2日(火)、アメリカ・ラスベガスにて、世界最大級のHRTechイベント「HR Technology Conference & Expo 2019」の2日目に参加してきました!

本日の開会時間は、現地、朝8:30。今回は、開催直前!速報レポートにてご紹介いたしました『世界的に有名なHRTech第一人者のJosh Bersin(ジョシュ バーシン)氏』の講演を中心にご紹介させていただきます。

AI技術の発展をもってしてもHRTechが飛躍できなかったのか… ~HRTech業界・最新動向~

HR分野を20年以上にわたり研究し、牽引してきたJosh Bersin氏が、HR業界の最新動向と将来の展望を語ってくれました。

Josh Bersin氏 プロフィール
Josh Bersin氏は、企業の働き方、人事、リーダーシップ、また最新のHR Techマーケットを研究しており、世界で有数のHR業界の先導者として知られています。2012年にBersin & AssociatesをDeloitte Consultingに売却。その後、Bersin, Deloitte Consulting LLPの創始者として活躍。今ではDeloitteのシニアアドバイザーとして、大企業の組織体制や主要な研究機関にアドバイザーとして従事し、LinkedInで70万以上のフォロワーを持ちます。
コーネル大学卒業、スタンフォード大学修士取得、UCバークレーMBA取得。

現代社会と取り巻く企業の思いとHRソフトの現状

現代社会において、AIやシステムがこれだけ発達しているのに対して、それがもたらす生産性は私たちが思っていたほどあがっていないと感じています。

例えば、アメリカのサンフランシスコを皆さん思い浮かべてください。昔は銀行ばかりでしたが、今はテクノロジー系の会社が大半を占めています。

また、トレイシー・メイレット氏と、 マシュー・ライド氏によって書かれた『“The Employee Experience(従業員の経験)』にも書かれていますが、今までHRソフトは人事部のために作られてきましたが、これからは従業員のために作られていくべきだと考えています。
また、より良い働き方、社内コミュニケーション、従業員満足度の向上を考えたとき、1つのHRソフト・サービスだけで実現することは難しくなっています。
というのも、さまざまな会社がそれぞれの特色を持ったソフトウェアを出しているからです。なので、目標を達成するためには複数のHRソフト・サービスを組み合わせて導入するのが良いでしょう。

昨今のHR業界にて、特にコアHR(人事管理システム)の分野では、Salesforce、マイクロソフト、Googleなどのワールドワイドで活躍する大企業も参入しています。

一方、コアHRを利用する企業側はと言うと、最近では中小企業のHRサービス導入が進み、HRマーケットも今まで以上に拡がっています。
中小企業に比べて、従業員とのコミュニケーションや部門間の組織形態が複雑化する大企業の従業員の方がよりストレスを感じていると言われています。

一度コアHRを導入すると、導入にかかる費用や人的な労力がボトルネックとなり、約7年は変更ができないでしょう。その切替サイクルはだいたい10年周期くらいだと言われています。

従業員視点が変えた新たな流れ

冒頭にて、現時点ではHR業務の生産性向上という課題に対して、AIが私たちに与えた影響はあまり高くないと話しました。しかし、リクルーティング(採用)の分野に置いては、AIはかなり効果的にその能力を発揮しています。
今、AIやデータを使うことで、個々の会社の採用における判断基準などに偏りはなくなってきたと感じています。

例えばIBM(International Business Machines Corporation)の採用では、候補者が来たときの適性判断(※)にAIを使っています。AIはHRテクノロジーの中心になってきていると言えるでしょう。

※AIによる適性判断は以下のような内容が含まれます。

  • 自社のカルチャーに合っているか
  • 候補者に合う面接官の見極め
  • 候補者の回答から適性のある職種の見極め

サーベイの役割が変わる

社員満足度、文化やクレドの浸透度分析において、サーベイ(アンケート)を行う企業も多いかと思います。ただ、その問題が分かったとしても、その解決策を実行するまでに至っていない企業が多いのが実情です。
サーベイを実施した人事部が、チームエンゲージメントの低い部署のマネージャーにその問題を解決するように伝えたり、「あなたの部門の○○さんがモチベーションが下がってるから対策を考えてください」と伝えても、大きな解決につながらなかったという結果もあります。

ただ、最近ではサーベイの活用方法が変わってきていて、People Analytics(人の分析)のために活用されることが多くなりました。これは、サーベイによって得た膨大なデータを解析し、その人が働きやすいチームを割り出し、その人が働きやすい環境で成果を出してくれることを目的としています。

ラーニングの重要性について

ラーニング(教育・研修・学習)の分野も、とても伸びてきていて、数百のラーニング分野や企業が存在します。
ラーニングは人事のコア業務の姉妹のような関係で、マイクロラーニングやマクロラーニングなど、さまざまな手法、分野に分かれてきています。最近では、ラーニングへのVR活用も増えています。
企業におけるラーニングの重要性についてですが、知識に関わるスキルではなく、人に関わるスキルが必要です。例えば、デジタルスキルは学校を卒業すれば、ほとんど身についているのに対して、企業が今本当に必要とし、育てたいと思ってるのは、営業やリーダーシップなどの人に関わるスキルだからです。

キャリアの考え方も変わった

今まではキャリアマネジメントに力を入れている企業はあまりなかったと思っています。昔はマネージャーから「こういうキャリアがあるよ」と示して、部下はその中から自分に一番合ったものを目指すというのが主流でした。しかし、今では、そうではなくなってきています。これは従業員の希望する姿、仕事に対する価値観が変わってきたことが理由でしょう。
高い給与、出世などではなく、人間としての成長や社会貢献、どのような経験を積むかをフォーカスする若者が増えてきているからです。
新しい仕事や役割を探すとき、多くの人が自分の会社の中ではなく会社の外で見つける方が楽だと回答しています。

また、HR業界におけるヘルスケアのマーケットも大きくなってきました。市場浸透率はまだ10%くらいしかないのですが、これからが期待されている分野です。

 

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社員の健康を考えたとき、単に福利厚生を良くすることだけを考えるのでなく、どのようにパフォーマンスやエンゲージメントを上げるべきか、そのためにヘルスケアが重要だということが意識されるようになってきました。

Josh Bersin氏の講演から、今後のHR業界のテクノロジーの発展が一人ひとりの社員や人事部、会社に対してどのような変化を与えるのか、そして企業と従業員の関わり方がどうあるべきなのかをあらためて知ることができました。

『HR Tecnology2019』はExpoも最大級

世界最大級のHRTechイベント「HR Technology Conference & Expo 2019」のExpoエリア(展示会場)には、400~500のベンダー企業がブースを出展しており、自社のサービスやソフトウェアを紹介していました。

今年は“Employee Experience(従業員の経験)”というキーワードを使っている企業が非常に多くありました。
サプライ品として、お菓子やTシャツを配る企業はもちろん、植物をプレゼントしている企業などもあり、なかにはインスタグラム用の写真を撮影するなど、さまざまな手法で参加者の興味を惹き付けていました。ブース内では、ソフトのデモや動画などを使って、非常に分かりやすく説明をしてもらえました。

出展企業を大まかに分けると、4つに分類されます。

  1. 採用関係
  2. オンボーディング
  3. 給与計算
  4. AI関係

中でも注目を浴びていたのは、従業員が自社の人事制度や総務関係のことを調べたいと思ったときに、システム上で質問すると自動でAIが回答してくれるソフトや、採用の際に候補者に事前に質問に答えてもらうと自社に合っているかどうかをAIが判断してくれるソフトです。そして、95カ国の給与データが入っていて比較できるソフトなどで、日本にはないサービスも数多くありました。

 

 

これだけ多くの企業が出展しているExpoに参加し、非常に多くの刺激を得ました。
今回の記事では伝えきれないことがたくさんあります。
続きは明日以降の記事やセミナーでお伝えできればと思います。

それでは明日、3日目レポートでまたお会いしましょう!

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