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オンボーディング

個人のパフォーマンスを最大化し、オンボーディングさせる。 マイクロアドが手がける多彩な社内制度(前編)

公開日:2019.11.27


    マイクロアドは、2007年に株式会社サイバーエージェントから独立した企業で、主にインターネット広告配信のプラットフォームを運営し、広告業界を牽引する企業として注目を集めています。

    同社は広告業界の牽引企業として幅広くサービスを展開し事業拡大に力を入れる一方、『Redesigning the Future Life』という理念のもと、社員のスキルやパフォーマンス向上のための社内制度強化にも力を入れています。同社にて人事から広報やプロダクトのマーケティングまで、幅広く一手に担っているのがコーポレートデザイン本部。人材の採用・育成・活性化などの組織デザインを含めた会社全体のデザインを行っています。

    今回はコーポレートデザイン本部 部長の伊藤允晴氏と、同部署 広報の中山立奈氏に、同社が手掛ける社内制度とそのポイントについて詳しくお話しいただきました。


    現場の意見と経営方針、
    双方の声に耳を傾け、個人の力を活かす組織を目指す

    会社の理念である「Redesigning the Future Life」を
    モチーフにしたTシャツを取材の際に着替えてきてくれた伊藤氏

    広告業界の牽引企業として幅広くサービスを提供しているマイクロアド。会社のビジョン、そして社内制度の在り方について伊藤氏にお伺いしました。

    弊社では『Redesigning the Future Life』という会社のビジョンがあって、それを実行するのが僕たちコーポレートデザイン本部です。組織の在り方の再定義、現代社会の価値観に合った組織デザイン、人も含めて会社全体をデザインしています。

    私たちコーポレートデザイン本部では、採用以外にも、育成や組織活性における社内制度も手掛けていまして、創業時より続いているものから最近スタートしたものまであります。社内制度は社員個人のパフォーマンスを最大化するためにあるべきだと考えているので、そのためのさまざまな制度をつくったり、導入したりしています。
    内容に関しても、社員から出される要望と経営陣からの意見、さまざまな観点から設計しています。制度によってメリットも異なりますが、例えば新しい制度を実施した翌日に、社員の笑顔が増えているのを見ると、シンプルに嬉しいですよね。「こういう制度が欲しかった」「こういう研修をしてほしい」と、積極的な声が多く上がってくると、会社全体の意識の高まりや、モチベーションが上がっているのを実感でき、やりがいを感じています。


    教えあい、学びあう文化
    注目度の高い研修で知識も信頼も高まる

    社員個人のパフォーマンスを最大化するために数多くの社内制度を取り入れているマイクロアド。実際にどの様な社内制度を取り入れているのか、中山氏にお話を伺いしました。

    社内制度の1つに『MAnavi(マナビィ)』という制度があります。これは2019年の夏にスタートしたばかりの新しい制度で、MAnaviの「MA」は社名のマイクロアド、「navi」はナビゲーションを指しています。組織の中で、教えあい学びあう制度として新たにつくった制度です。主に経営陣や活躍社員が講師になって研修を行っていて、月4回程度、ロジカルシンキングやビジネススキル、マインドセットなどの内容で開催しています。

    MAnaviは経営陣や現場のマネジメントレイヤー、現場社員の声などを参考に、今組織に必要な講義を企画しています。また、都度内容を変えるのではなく、あえて複数回実施しながら、同じテーマにおいても内容をブラッシュアップしていけるように工夫しています。毎回アンケートをとっているのですが、そのアンケートを元に、2回目の講義にすぐに反映するように運営としても意識しています。

    講義に関しても、経営陣や活躍社員に依頼することもあり、社内での注目度も高いです。特に人気の高いテーマの場合には開催前から「今回は参加できないが、次の開催はいつですか?」と問い合わせがくることもあります。今後はより実務に役立つ専門的な内容や、ビジネスパーソンとしてマストとなる普遍的な内容をより組織にフィットさせた講義、社員の専門性を活かした「知っておくと便利なTips」的講義など、さらにテーマに幅を持たせていく予定です。

    組織が大きくなるにつれて、物事に対する解釈に幅が生まれてしまうといった弊害もあると感じています。創業初期からの社員と直近入社した社員で、判断基準にズレが生じないようにするためにも、組織として大切な価値観やナレッジを共有し、次世代に残していきたいという想いを込め、「MAnavi」を運営しています。


    社内家族『米とも』
    単なる社内交流ではなく、近くで見守ってくれる独創的なメンター制度

    他にも『米とも』というメンター制度があります。この『米とも』は、マイクロアドの創業時からある、新入社員に向けたメンター制度です。通常のメンター制度は1対1で行われると思いますが、マイクロアドの『米とも』は1対3。部署の異なる先輩社員3人がメンターとなり、一年間、一緒に食事する機会を設けます。『米とも』のメンバーは基本的に全員別部署というルールが設けられています。メンバーの構成は、エニアグラムによって分類された9つの性格タイプや学生時代の経歴・経験などを参考にコーポレートデザイン本部が設定します。

    部署が異なるメンターが揃うことで、新入社員は社内のあちこちに知り合いができ、コミュニケーションの幅がより広がります。また、他部門の考え方にも触れることで、皆が全社視点を持てるようにという考えから、このように運営しています。1対1よりも少しラフに交流できるのが魅力です。「同じ釜の飯」という言葉があるように、定期的に食事を共にするメンバーはつながりが深くなります。

    ちなみに『米とも』は『〇〇家』というチームが元で構成されています。新入社員を末っ子、先輩2人を兄・姉としていて、別部署のマネージャー以上が父・母という設定です。チームを一つの家族として、『〇〇家』ごとに活動を行います。

    新入社員にとっては自分の部署以外の先輩社員と交流することで学びがあり、万が一、自分の部署で上手くいかないことがあっても助けを求める相手ができます。さらに3人のメンターがいることで、その交流や相談先がより広がるんです。他部署の先輩社員たちが定期的に交流やメンタリングをすることで、成長の手助けとなったり、不安の解消につながることも多いです。また会社としても、新入社員の育成においてさまざまなナレッジが溜まると考えています。

    社内SNSを活用した開催報告も活発に行われ、1年間のメンター期間が終了しても定期的に集まっている家族もいるなど、制度を超えた盛り上がりも多く見られます。末っ子の新入社員より、仕事面につながる話が聞けてよかったという声や、次回開催が楽しみという声が寄せられています。

    『米とも』は初めて社会人になった新卒向けの制度なのですが、あまりにも盛り上がり、参加しているメンバーが楽しそうにしているので、最近では中途入社の社員から「自分も家族を組んでもらって末っ子になりたい!」という要望が出たこともあります(笑)。中途社員からこういった要望がでてくるのはすごく嬉しいです。

    新入社員を組織でメンタリングできる仕組みは有意義で、人事としても大きなメリットがあると感じています。


    前編まとめ

    今回ご紹介したコーポレートデザイン本部という部門以外にも、「組織ドライブ室」という、現場社員による組織活性化を促進するワーキンググループがあるとのこと。組織ドライブ室発信で、納涼祭や、日本酒会など、会社全体での交流も大切にしているマイクロアド。常に時代に合わせた組織設計・人材育成を目指しつつ、会社の風土や文化を大切にする同社の考え方が、多くの制度に反映されていました。
    さらに後編では多様な働き方への対応として設けた『中途Meetup』『スライド8』や『社内制度を浸透させるポイント』について詳しくお聞きします。

    この記事を書いた人

    HR BLOG編集部

    このブログでは、「経営者と役員とともに社会を『HAPPY』にする」 をテーマに、HR領域の情報を発信しています。

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