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個人と組織が爆速で成長する1on1とは? -ミレニアル世代との1on1の効果を高める3つのポイント-

「会社で定められたルールだから仕方なく受けていますが、正直な話、何の意味があるのかわかりません…」、新卒が『1on1ミーティング(以下、1on1)』に対して抱く感情はネガティブなものが多く、上司や経営層、社長が「1on1」で達成したかった姿とは真逆になっている場合が多いのではないでしょうか。では、どうしてこのような負のギャップが生まれてしまうのでしょう。

2019年12月6日、組織開発等の支援を行うプロノイア・グループ主催のMirai Forum、「さよなら、成果主義!OKRで未来の未来の組織変革をはじめよう」が、「HR BLOG」を運営、提供する弊社、株式会社アックスコンサルティング(東京・恵比寿)にて行われました。

本セミナーでは、前半にOKRに関するパネルディスカッション、後半に1on1に関するワークショップが行われました。HR BLOGでは、今回はその模様を前・後編に分けてそれぞれご紹介します。

※【前編:元Googleピョートル氏&メルカリ・ユーザベース担当者が語る 急成長企業が取り入れるOKRの実践的活用術】はこちらからご覧いただけます。

今回の後編として、セミナー後半に行われた内容をお届けいたします。セミナー後半では、OKRと併用して実施されることが多い「1on1」を効果的に実施するポイントの解説とワークショップが行われました。

講師は、プロノイア・グループ株式会社の丸山咲氏(以下、プロノイア・グループ/丸山氏)が努め、モデレーターは前半に引き続き、プロノイア・グループの星野珠枝氏(以下、星野氏)が担当しました。

セミナー講師を務めた丸山氏(左)と、モデレーターの星野氏(右)

1on1の目的は「部下に成長機会を与えること」

1on1の最大の目的は、「部下の自己実現のために成長機会を提供する」ことだと考えています。これは最大の目的であると同時に属人化しやすい性質もあります。「部下の自己実現のために成長機会を提供する」という目的を達成するために、どのようにして1on1の質を高めていけばよいのか、ここで紹介する重要なポイントを押さえておけば、“上司が部下を導き教育する”ためのアドバイスとして、きっとお役立ていただけるはずです。

まず、1on1の目的は多岐にわたるということです。「部下の自己実現のために成長機会を提供する」以外にも、

● OKR達成に向け、部下のパフォーマンスを最大限に引き出す
● 会社OKRと個人OKRのすり合わせや遂行に応じた再設定を行う
● 部下に内省の機会を与える
● 定期的にコミュニケーションを取り、信頼関係を構築する

などが挙げられますが、どれも、部下を成長させ、チームを強くし、OKRを達成していくためになくてはならない要素です。

ミレニアル世代の本音「1on1は意味がない」?

会社の経営層や上司の思惑とは裏腹に、1on1の受け手である部下側、特にミレニアル世代(※1)は、1on1に対してネガティブなイメージを持っている場合が多いのが実情です。

たとえば、

● 会社で定められたルールのため仕方なく実施している
● キャリアに関する話をしたいが、結局売上目標やプロジェクト進捗の話に偏る
● 本当は他の先輩社員や上司に相談したい

などがあげられます。

もう一方の上司側も、

● 何を聞き出せばいいのかわからない
● 組織OKRと部下の個人OKRのすり合わせの方法がわからない
● ハラスメントが怖くてあまり深掘りできない

といった悩みを抱えている方が多いでしょう。

そもそも現代の日本企業において、上司の立場にある方の多くは、1on1という文化に馴染みがない場合がほとんどではないでしょうか。これは、彼らが新人だった頃には、1on1という考え方、コミュニケーション手法の重要性がほとんど認知されておらず、彼ら自身が1on1を受けたことがないことにも原因があると思います。

もちろん、日本でも部下との定期面談をする機会を設ける企業は多いと思いますが、内容は評価面談や業務指導になることがほとんどでしょう。部下から「聞きだす」という行為を行ってこなかった結果、そのスキルが低い上司が多いのだと思います。

しかしこれからの時代、組織を持続的に成長させて行くためには、部下一人ひとりの能力を伸ばしていくことが求めれてくるでしょう。

(※1:1980年代序盤から1990年代中盤までに生まれた世代のことを指す)

参加者を巻き込みながら、講演を進める丸山氏

1on1効果を高める3つのポイント

では、1on1の効果を最大限に発揮するためには具体的に何をすればよいのでしょうか。
ポイントはシンプルで

1. ゴールを定めよ!
2. 欲しいものを明らかにせよ!
3. エネルギーを管理せよ!

の3つだけです。これからそれぞれについて説明をしていきますが、これらの3つのポイントは1on1だけではなく、日常の会議の場面にも適用することができるポイントになっています。

事前にゴールを定める重要性
~ 1. ゴールを定めよ! ~

1つ目のポイントである「ゴールを定める」ためには、下記の図1に示す4つの鉄則が必要です。

(図1)

鉄則①では、予め意思決定に必要な情報を揃えておくこと、意思決定のプロセスや関わるべき人を明確にしておくが必要があります。大企業では、意思決定に関わるべき人が不明確のまま、むやみやたらと意味のない会議を繰り返してしまうケースが散見されます。

鉄則②では、アイデア創造の土台となる「事実」情報を整理して共有できているか、そしてアイデア創造の基となる「刺激」を用意しているかが重要です。たとえばプロノイア・グループの場合、事業とは直接的に関係しないことを会議のなかで意図的に発言することがあります。具体的には最近読んだ本や、外部研修などで学んだことについて共有をしています。

鉄則③では、自分の気持ちを素直に伝えること、どのような伝え方が最適かを考えること、その情報を伝えることで起こしたい周囲への影響を考慮に入れることが必要になります。

鉄則④では、「心理的安全性」にも関係してきますが、言いたいことを気兼ねなく言える環境(雰囲気)や関係性を作れているかというもので、非常に重要です。

ただ、1度の1on1で4つの鉄則をすべて実践するのではなく、どれか1つの鉄則を意識して行うことが好ましいでしょう。毎回どのような目的で、どのようなテーマに沿って話し合うのかを、事前に部下自らが設定できるほど部下の主体性を養うことが理想的です。日常行われる会議においても、この4つの鉄則は有効ですが、1on1同様に1度に1つの鉄則を意識して進行することをおすすめします。

部下の状況に合わせた1on1を実施する
~ 2. 欲しいものを明らかにせよ! ~

2つ目のポイントである「欲しいものを明らかにする」ためには、論理的に部下またはチームの現状を4象限(図2)で分析することが効果的です。ここでいうリソースとは、人・情報・金・時間など意思決定に必要なものを指します。上司は部下がこの4象限のどこに分類されるのかを考え、1on1の場では、部下にとって何が足りていないのかを明確に伝えることが大切です。この考えに基づいて1on1を進めていき、上司と部下で「今後、何を得る必要があるのか?」をすり合わせることが「ゴール」となります(図3)。
ここでも部下が自ら欲しいもの主張できるような主体性を育めるかがポイントになります。

(図2)

(図3)

 

エネルギーを管理して、部下の可能性を最大限に引き出す
~ 3. エネルギーを管理せよ ~

3つ目のポイントである「エネルギーを管理する」ためには、まず部下のエネルギーの状態を把握する必要があります。エネルギーの状態も主に4つにタイプに分類することができます(図4)。そして部下の今持っているエネルギーを建設的に活用していくためには、それぞれの状態に合わせて適切なアプローチを行うことが大切です(図5)。

(図4)

(図5)

 

「衝動」の気持ちは最も厄介に感じられますが、この場合に求められることは、どうしてそのような気持ちになっているのかを丁寧に深掘りすることです。衝動的になっている態度を頭ごなしに否定するのでなく、まずはその原因となっている事象を上司と部下で少しずつ確認していくことが大切です。また衝動の気持ちをポジティブに上手く転換することができれば、物事を推進できるような強いエネルギーを生み出すことができます。

「情熱」の気持ちは最も業務が推進しやすい望ましい状態です。この場合は、なぜ情熱的な気持ちになっているのかを明確にすることで、さらにそのエネルギーを強くすることができますし、「情熱」の再現性も高めるようになるでしょう。どのような状態の時に情熱が生まれるのかを部下自らが理解する、または上司が理解させてあげることで部下の可能性をさらに引き出すことができるはずです。

「空虚」な気持ちに陥っている場合は、部下が上司に対して気持ちを素直に伝えられる状況を作り出すことが何よりも大切です。前述したように、部下は「なぜ上司に自分のことを話さなくてはいけないのか?」、「上司に話しても何も解決しないではないか?」という気持ちを抱いていることが多いでしょう。上司は部下に対して、支援する気持ちがあるということを予め開示するなど、普段から心理的安全性を担保しておくことが求められます。

「平穏」は、現状の事実を客観視している状態です。湧き上がる未来を想像したり、現状を冷静に分析したりすることができます。また、この状態はルーティーン業務を行っている方には望ましい状態でもあります。逆に新しいものを創り出したり、クリエイティブな業務を行う方の場合は、新しいこと、未来に対するチャレンジの機会など、刺激を与えるとよいでしょう。

このように、部下のエネルギーの状態に合わせて部下が求めていることを提示することで、これまで以上の可能性を引き出すことができるのです。

最後に

1on1を通じて、部下の目標達成を支援したり、部下との信頼関係を構築したりすることがとても重要なのです。そして、今回ご説明した1on1の効果を高める3つのポイントを理解し、実践することで、さらに効果的な1on1を実施することができるでしょう。ミレニアル世代の特徴をきちんと理解し、部下の可能性を引き出す1on1を実現してほしいです。

まとめ

前編でお伝えしたOKR、この後編でお伝えした1on1のポイントをぜひ活用していただければと思います。また、組織設計、制度設計、評価制度、など自社のさまざまな施策や制度と組み合わせながら、その会社に適した形で運用していくことが強い組織を作るためには大切です。これらの総和が会社のカルチャーを育み、新たな可能性を広げていくということをこのセミナーを通じて学びました。

セミナーの途中では、学んだポイントを実践するためのワークショップが何度も行われ、大きな盛り上がりをみせました。

会場となったアックスコンサルティング(東京・恵比寿)

このようなセミナーやワークショップはさまざまな会社で開催されています。機会があればぜひご参加されてみてはいかがでしょうか。

 

今回のポイント

  • 「1on1」に「OKR」の視点を取り入れ、部下に取って有意義なものにしましょう。
  • 「部下の自己実現のために成長機会を提供する」それが「OKR」の最大の目的である。
  • 部下の感情「エネルギー」に合った「1on1」を実現して、可能性を最大限に引き出しましょう。

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