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もし、従業員が「副業したい」と志願してきたら?

近年、日本でも副業に寛容的な会社が増えてきましたが、完全にOKとする会社はまだ多くありません。副業したい従業員に対し、人事担当者はどのように対応すべきなのでしょうか?副業解禁について知っておくべき働き方改革に関する用語も見ていきましょう。

「副業NG・OK」を決断する際の注意点

会社に勤めていながも、「副業・兼業」として別の仕事で利益を得ている人が増えています。
動機はさまざまですが、現在の給与に不満があり、別で生計の足しにしたいという人が圧倒的。しかしなかには、スキルアップや現在の会社では生かしきれない経験値を活用するためという人もいるようです。また、インターネットの普及で、かつてより気軽に他の仕事ができてしまう環境になってきたことも要因の一つといえます。
しかし、従業員の副業は、会社としてはリスクがないとも言えません。副業に真剣になるあまり本業に支障が出るケースや、社外秘のデータが流出…ということも考えられます。
とはいえ、副業を全面的に禁止してしまうと、今度は有能な従業員が独立や離職をしてしまう場合も。会社勤めをしていても、本来、労働時間以外は個人の自由な時間です。そのため、たとえ就業規則で副業や兼業を禁止していたとしても、ルール違反としての“懲戒処分”はできません。
許可を出すか、出さないかを決定する際は、会社にマイナスの影響を及ぼしかねない場合はNG。一方、条件付きでOKとするなど、不都合にならないパターンを考えていく必要がありそうです。

副業が当たり前の時代、総務人事の対応は?

副業や兼業を認める場合には、さまざまな観点から考察する必要があります。厚生労働省のWEBサイトに掲載されている「副業・兼業の促進に関するガイドライン」やQ&Aを参考にしてみてください。ここでは許可する場合の参考項目が確認できます。
また、「働き方改革」により、会社は合理的な理由でのみ制限できるというルールづくりも進められています。
現在、厚生労働省労働基準局「モデル就業規則」第3章 服務規律には、“許可なく他の会社等の業務に従事しないこと”と記されています。つまり今は、副業許可権は会社側にあるということ。総務人事担当者は、近い将来、就業規則の見直しが必要となるでしょう。
2017年5月に公表された中小企業庁の「兼業・副業を通じた創業・新事業創出事例集」。
ここには、副業を通じた創業や新事業の創出、中堅中小企業の人手不足解消などのメリットも提唱されています。時代に合った副業制度導入のメリットを知ることも、目下の課題といえます。

副業解禁は、会社にプラス!?

副業を解禁したことにより、会社がポジティブに変化した例を見ていきましょう。
かつて副業NGとしていたA社では、隠れて副業をする従業員による機密漏えいや、離職が問題となっていました。
会社側は、たとえ一つひとつは小さな問題でも、いずれ会社の信頼低下につながったり、人材確保が難しくなったりすることを懸念します。A社では、このような理由から、大きなトラブルに発展する前に、条件付きで副業解禁を決断しました。
副業をOKとしたところ、優秀な人材の離職数が減り、副業で得たスキルを本業で生かせる従業員も増えました。従業員自ら主体的に行動するようになり、さらに収入も得られる副業で経験値を高めている従業員も年々増加。昔から続く会社発信の研修制度よりも、主体性が育つ副業でのスキルアップのほうが従業員のやる気も違います。
しかし、ここでも注意が必要です。
ある日、A社の人事担当者は、従業員Bさんと従業員Cさんそれぞれから副業希望を受けました。条件を満たしていたBさんは許可され、1つだけ条件を満たせなかったCさんは許可されませんでした。これでは、従業員同士の関係性が崩れてしまう可能性があり、組織として事業を続けるうえでも問題です。
条件付きで許可する場合は、副業種類の洗い出し(深夜アルバイト、ブログ運営、小物販売など)を細かく見ていくことが必須です。さらに、社内アンケートなどでよりよい方法を見出していくことが不可欠となります。

副業が会社に与えるメリット・デメリット

IT系やベンチャー企業、大企業にも意外と副業を容認している会社が多い昨今。
「多様な働き方」「時間や場所に拘束されない働き方」が議論される、働き方改革は、副業の後押しにもなりそうです。
ここでは、あらためて副業が会社に及ぼす影響を調べていきましょう。副業によって、従業員は社外での人脈がおのずと広がります。新しい知識やスキルも得て、それらを本業でも生かすことにより、会社の事業発展にも貢献してもらえます。
また、これまでは上司の指令どおりにしか働けなかった従業員たちも、副業で自信を得て自主的な行動を見せるようになります。業務で発生する課題の解決を自分で考え、よりよい方法を見つける力を、副業から得る人も少なくありません。
仕事において、副業というチャレンジの場があることは、日々のモチベーションアップにもなります。従業員一人ひとりが、本業も副業もこなすことで、生き生きと業務に従事してくれるでしょう。
注意したいのは、就業時間にも自分の自由な時間にも働き続けることでの疲労です。単純に労働時間が長くなるため、健康管理を徹底しなければなりません。
また、先に述べたように、社内の情報漏えいなどのリスクもあります。副業が軌道に乗り、本業の給与を上回った従業員に対する競業避止をどのようにするかも考えておく必要があるでしょう。

まとめ

今回は副業したい従業員への対応を見ていきました。
もちろん、副業による経験値の向上や多様性を認めつつ、あくまで本業に支障をきたさないことが前提です。スキルを持つ市場価値の高い人材は、今や正社員でなくとも活躍できる社会。本業でもそのスキルを活かせるよう、個人に合わせたキャリアプランを用意しましょう。

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