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リクルーティング

エンジニアがスカウトを送りエンジニアを採用!? 株式会社i-plugが実践するダイレクトリクルーティングを活用した採用戦略とは?

経団連の就活ルールの廃止や政府による新たなルールの発表もあり、新卒採用市場は今、大きく変化しています。数年前までは、学生が企業に応募し、選考に進み、内定を得る方法が定番でした。

しかし、近年では企業が学生にオファーを出す「逆求人」型の採用が存在感を増してきました。2012年にサービスを開始した「逆求人型」就活支援サービスの『OfferBox(オファーボックス)』は、2019年卒の学生登録数が10万人を突破。同サービスを運営する株式会社i-plugも、創業から6年で従業員数は100名を超え、サービスとともに成長しつつあります。

本記事では、株式会社i-plugに2018年4月に入社し、CRO(Chief Recruiting Officer)最高採用責任者を務める小林孝氏に、採用市場に変化をもたらしている企業の採用手法を伺いました。


御社ではどのような採用活動を行っているのですか?

小林氏:
中途採用の大半がリファラル採用とダイレクトリクルーティングです。これまでエージェント経由での採用は行っていませんでしたが、今期初めて2名をエージェント経由で採用しました。

社員100名のうちほとんどが中途入社社員。新卒入社は17年卒から少しずつ増加しています。

すべての採用をすべて人事部門内で行っているのですか?

小林氏:
中途採用は配属予定の部門が担当しています。部門内で採用担当を決めてもらい、最初のオファーを出すところから、面接までを実施しています。営業職もマーケティング職も、エンジニア職も自分たちで求人の記事を書いています。

大手企業であれば待っていても人は集まってきますが、我々中小企業やベンチャー企業は自ら積極的に動かなければ採用できません。人事以外の部署と協力しながら採用活動を行っています。
「人事がオファーを送ればいいのでは?」とよく言われますが、採用したあとに一緒に働くのは各部門の社員たちです。人事はスキルを判断することはできても、細かいところはわからないこともあります。「どうしてこの人にオファーを送ったの?」といわれてしまうような、現場のニーズとズレてしまう問題が発生しかねません。

エージェントを使った採用なら、書類を見て、スキル面などを確認したうえで面接するかしないかを決められます。一方でダイレクトリクルーティングの場合、オファーを求職者に承認してもらわないと前には進みません。ゆえに、より求職者を理解したうえでの興味関心を高めるオファーが重要となります。それは人事よりも各部門に任せた方が効果的だと考えています。

抵抗を示す部門の方はいらっしゃらなかったのですか?

小林氏:
今のベンチャー企業や中小企業の人事には巻き込み力が求められていると思っています。

採用ツールの使い方を教えるだけでは、人は動きません。だから「今採用する理由」や求人倍率、採用にまつわるさまざまな情報を伝え、各部門で採用を行う重要性をくり返し説きました。「世の中はこれだけ厳しくなっている、だからこそみんなで採用していかないと、この先ビジネスを拡大できなくなるよ」と。今では社員一人ひとりが危機感を持って対応してくれています。

最初は積極的ではなかった人も、ダイレクトリクルーティングで自分が会いたいと思った人と実際に会えたら、とても喜んでくれました。今では、エンジニアがスカウトメールを積極的に送っています。その甲斐もあって、エンジニアの採用が成功するまでになりました。

採用を楽しんでもらう方法を考えることや新しい採用媒体・トレンドを掴むことが、人事の大切な役割だと思っています。

どんな人を採用するか、基準はありますか?

小林氏:
求める人物像として、「変化を楽しむことができる」、「ビジョンに共感する」という観点がありますが、ちゃんと顔を合わせて、「この人は一緒に成長してくれる、育てることができる」という人だけを採用してもらうよう各部門と話しています。なぜなら、人は“財産”であって、入れ代わり立ち代わりするようなものではないためです。

「自分の部門の社員だから、きちんと採用から育成まで責任を取る必要がある」ということを、1年かけて地道に伝え、浸透させてきました。

今では各部門で積極的な採用活動に取り組んでいます。たとえば、採用のための求人ブログのタイトルでABテストを行うこと。人がより集まるための工夫を凝らしています。新しい採用ツール・媒体も積極的に導入を検討し、各部門と一緒に決めています。事実、中途採用31名、2019年新卒9名の仲間が加わりました。

その甲斐あって、2018年度の採用は役員からも「こんなに採用がうまくいった年はなかった」といわれるくらい成功しました。

前職での採用活動はどのように行われていましたか?

小林氏:
前職ではWebマーケティングの事業部長でした。前職の会社では、採用は人事がすべて担当しており、手法はエージェントからの紹介のみにとどまっていました。

私はもともとWebマーケッターだったので、トレンドのWebサービスや、Web上での市場の動きを追うことも仕事の一環でした。だから、ダイレクトリクルーティングで、直接採用ができることも知っていました。

ここ数年の日本は会社の数が増えている一方で、労働人口は徐々に減る時代に突入しています。転職者にとってはいいかもしれませんが、会社の運営側はなかなか厳しい。ですから、前職時代から「新しいことにチャレンジしていかないと、これからは人が採れなくなる」と、人事に新しい手法を取り入れることを提案していました。

しかし、人事担当者からは「従来と違った手法での採用方法がわからない」という回答が。今までエージェントしか使っていなかったので、新たにダイレクトリクルーティングという手法を取り入れるにしても、どんなコンテンツを作ったらいいのかがわからない。手始めにオファーメールを送ろうとしても、どうやって書いたらいいかわからない、というのです。

以前は、働きたい人がたくさんいて、会社側が好きに求職者を選べました。エージェントを利用したり、採用媒体に載せればたくさん応募がくる。その中から絞り込むことが人事の仕事だったんです。人事自らが動いて人を採りにいくという考えはありませんでした。

そこでまず、自分の事業部の採用権限をもらい、ダイレクトリクルーティングを始めました。これがうまくいきました。前職では多いときには35人の部署を率いていました。途中でやめていった方もいますし、反省したこともたくさんありましたが、この時に採用の楽しさや大切さを覚えましたね。

最後に人事担当者、採用担当者のみなさんにアドバイスをお願いします。

小林氏:
採用がうまくいっていない場合は、過去を否定する勇気が必要だと思います。
同じ方法をとっても、会社によってはうまくいく場合、いかない場合があるでしょう。過去を否定したうえで、リファラル採用やダイレクトリクルーティングなど、新しいチャレンジをしていくことが求められます。
記事を書く、求人原稿を作るなど、Webマーケティング的な知識も必要です。採用市場がどんどん難しくなっていくのは事実。人事部だけで抱え込まずに、全社員を巻き込んでいくことも重要です。人事の人間力が試される時期がもう近づいていると思います。もし、今採用がうまくいっていないのであれば、新しいことにぜひチャレンジしてみることをおすすめします。

プロフィール

小林 孝
ヤフー株式会社、GMOペイメントゲートウェイ株式会社等を経て、新卒向け逆求人「OfferBox」運営企業である株式会社i-plugに2018年4月より在籍。現在は、CRO(Chief Recruiting Officer)最高採用責任者としてi-plug社の中途採用、新卒採用を担当。セールス、マーケティング、事業立ち上げ等の経験した後に人事部へ。攻め型採用手法であるダイレクトリクルーティングの実績を持つ。

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