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人材育成・開発・研修

経営戦略と並ぶ重要度、企業文化を醸成させて業績を上げる!

公開日:2020.4.10

    グルーバル企業に勤める幹部1,200人を対象にしたある調査で、全体の91%が「企業文化は経営戦略と同じくらい重要である」と考えているとの結果が出ています。会社経営における企業文化の重要性は、現代において見逃せないものになっていると言えるでしょう。その醸成方法について探っていきます。

    企業文化を構成する7つの要素を知る

    企業文化を会社に浸透させる方法を探には、まずその構成要素を理解しておく必要があるでしょう。企業文化は、(1)ビジョン、(2)ミッション、(3)バリュー、(4)慣習・慣行化、(5)人材、(6)ストーリー、(7)プレイス、という7つの要素によって成り立っていると考えられます。

    企業の志や経営理念などが示されるのがビジョンです。簡潔な言葉で、企業の存在意義を内外に発信することが経営者に求められます。続いて、ビジョンを実現するために何に取り組むべきかがミッションとして示されます。企業として使命を司る要素ですので、具体的な言葉で表現されるのが理想です。

    ミッションに取り組むうえで、何を基準に判断し、どう行動していくかはバリュー(価値観)として従業員に伝えられます。重要度が高いバリューは、特にコアバリューと呼ばれ、企業活動の中核をなす要素となっていきます。

    バリューによって示された判断、行動が繰り返され、長年かけて慣習として社内に根付く頃には、企業文化は十分に浸透しているといえるでしょう。ビジョン、ミッション、バリューに共感して行動する従業員たち、すなわち人材は、企業文化の大事な構成要素となります。

    そして、社内で語り継がれる逸話や、創業者の生い立ち、主力製品の開発秘話など、自社独自のストーリーも、企業文化を根付かせるのに一役買ってくれます。オリジナリティのある話であればあるほど、従業員は物語に引き込まれ、その背景にある理念や価値観を感じ取ってくれるでしょう。

    所在地や地域性も、企業文化の成り立ちに大きく関わります。それは、会社が都心にあるのか郊外にあるのかで、通勤スタイルや仕事の進め方などが変わることを考えると明らかでしょう。また、社内のレイアウトやどんな設備があるかなども仕事の質に関係するため、所在地、地域性、職場環境全般が企業文化に影響します。

    このように、企業文化の構成要素を知り、どのポイントに注力すればいいかを判断することが経営者に求められています。

    企業文化を体現するのは人、採用面接で自社に合った人物を採る

    企業文化を浸透させていくためには、何より人材がカギとなります。ビジョン、ミッション、バリューは、経営者や幹部が理想を語り、明文化して発信することで広めていくことができますが、それに呼応する人がいなければ企業文化は根付いていきません。

    企業と従業員が共通の価値観でつながっていれば、仕事の効率が上がって業績アップが期待でき、どんな局面でもぶれない判断を下すことができるようになります。離職のリスクも低下し、採用コスト、教育コストを抑えられといったメリットも享受できます。企業側としては、採用時点で自社と相性のいい人物を見抜いて入社させることで、企業文化の醸成を促進できることになります。

    これまで採用面接では、入社希望者の能力や経歴などにスポットがあてられることが多かったのではないでしょうか。しかし、企業文化の醸成という観点では、自社と価値観の合う人物であることが最重要となります。

    自社と相性のいい人物は、長く働いてくれる可能性が高く、他の従業員の見本となるような言動を重ねてくれます。経営陣の理念を体現する人物として、いつしか重要なポストに就くことも期待できるでしょう。

    経営陣が外部に向けて魅力的でわかりやすいメッセージを発信し、共感し合える人物が採用試験に集まってくるような状況をつくっておけば、自社と相性のいい入社希望者と出会える確率は高まります。面接で自社とマッチする人物を見逃さないよう、面接担当者がしっかりと企業文化を理解しておくこともポイントです。

    企業文化を業績に結び付けた実例に学ぶ

    ひとことに企業文化といっても、スタイルは会社ごとに異なります。仲間意識や従業員同士の交流を重視する「家族タイプ」、革新性や創造性を重んじる「イノベーションタイプ」、規律や効率を大切にする「安定タイプ」、社内外に奉仕の精神を発揮する「サービスタイプ」などと大まかな分類は可能ですが、企業文化の数は会社の数だけあると言ってもいいでしょう。

    いずれにしても、経営者が自社をどんな会社にしたいかを思い描き、そのためのミッションやバリューを具現化していくことが、企業文化を浸透させるためには重要です。以下に、いくつかの成功事例を紹介します。

    靴のネット通販会社「ザッポス」は、サービスを中核にした企業文化を築くという理念を徹底し、内外に「WOWを届ける」というミッションを掲げました。その結果、カスタマーセンターのオペレーターにも「顧客に喜ばせるために全力を尽くす」というバリューが根付き、裁量権も与えられています。結果、徹底したサービスで世界中に知られる会社となっていきました。

    民泊大手の「エアービーアンドビー」は、「人々がどこでも居場所がある世界を創ること」というミッションを掲げると同時に、おもてなしの精神をコアバリューにすることで成長を遂げたことで知られています。世界各地のコネクトセンターでは24時間の相談体制が整備され、従業員とゲストが仲間のような関係を築くことでサービスの質を高めています。

    リクルートでは「社員は皆、経営者である」という創業者・江副浩正の言葉が企業文化として浸透しています。社内には挑戦を奨励する空気があり、社内制度も充実していることが知られています。

    世界的な巨大企業となったアマゾンも、徹底した顧客第一主義を企業文化として根付かせることで成功した企業です。

    まとめ

    こうした実例を知るにつけ、企業文化を浸透させることが会社のブランディングにも直結しているのだと読み取れます。創業者の思いや自社の強みを知り、ビジョン、ミッション、バリューを練り上げ、慣習となるまで行動を繰り返す。自社の企業文化と相性のいい従業員を採用し、長期的な人材活用をベースにした経営戦略を立案する。そういった積み重ねによって、企業文化を浸透させていきましょう。

    この記事を書いた人

    HR BLOG編集部

    このブログでは、「経営者と役員とともに社会を『HAPPY』にする」 をテーマに、HR領域の情報を発信しています。

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