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人材育成

新入社員向け研修は今までどおりで大丈夫ですか?

優秀な人材の確保は、会社にとって重要なミッションです。しかし昨今は、新入社員の3人に1人が3年以内に離職してしまうというのが現実。どうすれば新入社員が会社に根付くのか、新人育成や新入社員研修を切り口に再確認してみましょう。

ビジネスマナーやOJTだけでは不完全

入社直後は、ほとんどの社員が意気揚々と仕事に臨み、自分自身の成長を実感しやすい期間だと言えます。ところが、冒頭でも述べたとおり、3人に1人が3年以内に離職してしまうというのが現実です。

人材育成や社員採用にはコストと時間がかかります。早々と辞められてしまうと、それらがすべて無駄になり、会社にとっては大きな痛手なのです。

新入社員が辞めてしまう理由としては、会社に馴染めない、入社前と入社後のイメージのギャップが大きい、自分の成長をイメージできない、などがあげられるでしょう。そのような新入社員のモチベーションを高め、長く働けるような方向付けを行うことも新人研修の役割だと言えます。

とかく新人研修と言えば、ビジネスマナーやOJTに目が向けられがちです。しかし、それだけでは人材の育成や確保、離職率低下には直結しません。新人研修においては、自立性やヒューマンスキルの向上を目標に、会社で力を発揮するために必要なマインドを伝えていくことが大切なのです。

それゆえに、新人研修を行ううえでは、会社のビジョンや経営理念を明確に描き、研修内容とリンクさせていくことが重要になります。そうすることで、研修内容に現実味が生まれ、社員の才能を開花させるための種まきを早い段階で行うことができるのです。

新入社員の特性や時代を読んだプログラムを組む

昨今の若い世代は、自己を制御する自律性に欠ける、問題発生時の態度が消極的、ほどほどで満足し高望みをしない、などの特徴があると語られています。その一方で、教わったことを的確にこなす、真面目、向上心はあるといった側面を持ち、パソコンやインターネットの存在が当たり前の世代でもあります。

「新人育成は難しい」と嘆くだけではなく、彼らのポテンシャルに目を向け、特性に合った育成プログラムを組んでいきましょう。

4月当初は、新人を現場に送りだすための準備期間となります。どれくらいの期間をかけて研修を行うかは会社の事情によると思いますが、ビジネスマナーや仕事の基礎となる知識、技術の伝達、就業規則の申し送りなどは、OJTとOFF-JTを組み合わせて速やかに行っていきます。

先に、言葉づかいや社会人としての心得、会社組織の成り立ちなどを教えることによって、社内見学時の先輩社員とのコミュニケーションが円滑になるでしょう。OJT時にも「接しやすい新人」と見られれば、多くの学びを得る機会に恵まれ、本人も学ぶ喜び、成長する喜びを感じられるようになります。

入社後の「こんなはずじゃなかった」というギャップの発生を避けるためには、新人を現場に送り出す前に会社の実情を丁寧に伝えるフォローアップ研修が有効です。内定者向けに、入社前の期間に行っておく方法も考えられます。

早い段階でリーダーシップの資質を見極めて磨きをかけていくことも、未来の管理職を育成するうえで大切になります。そのためには、提示された事象を分析し解決策を探っていく「インシデント・プロセス法」と呼ばれる方法が有効とされています。この方法を、採用面接に取り入れ、優秀な人材確保に役立てている会社もあります。

他にも近年は、ITリテラシー、個人情報の扱い方、コンプライアンスに関する伝達などが、新人研修には欠かせない項目となっています。

さまざまな施策で新入社員の離職を防ぐ

育成担当部門の担当者や、専門の講師が新人たちの前に立つときは、育成ポイントをはっきりと伝えることが大切になります。座学は50分前後で休憩を入れるのが理想で、90分を超えると学習効率が格段に下がりますので、気をつけたいところです。

ビジネスマナーや仕事の基礎は1週間から1ヵ月の間に、それ以外のプラスアルファとなる研修は適宜早い段階で行っていきますが、その後も人材育成は続きます。3年以内の離職を防ぐためにも、キャリア支援につながる研修、モチベーションアップにつながる研修などを取り入れながら、エンゲージメントの醸成を図っていきます。

モチベーションの向上には、新人に目指すべき将来像を示すのが効果的です。その一策として、入社二年目の先輩社員が、新人に向けて自身の体験を発表する方式を取る方式が知られています。二年目の社員が、入社当初の心境、苦労話、現在の前向きな自分の様子などを打ち明けることで、新人の不安が解消され、進むべき方向性を見つけやすくなります。研修の終盤や、年間を通じた節目のイベントなどで行うとよいでしょう。

まとめ

新人育成を重視する際には、責任感や仕事の厳しさを伝えることも忘れてはいけません。ただし、厳しさの押しつけは禁物です。厳しくする時は、「なぜ厳しくするのか」という丁寧な説明が不可欠。厳しさと丁寧さのバランスが、新人社員との関係を築く鍵になるでしょう。

新人教育を、あえて時短社員に任せることで効果を高めている会社もあります。勤務時間が限られている時短社員が指導を担当することによって、新人が自分の手で実務をこなす機会が増えるため、フルタイム勤務の社員がつきっきりで指導にあたるよりも多くの経験を積むことができるのです。

また担当者には、会社の実情に合った育成プログラムを策定する柔軟な思考が求められます。さらに、各方面から協力を得るための強い影響力や、スピード感も必要となり、その負担は少なくありません。優秀な人材の育成は、会社の将来を左右する重要な課題ですので、全社でフォローし合いながら新人育成に取り組んでいってください。

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