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離職率28%からの脱却! サイボウズが掲げる働き方の多様化とは?

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「100人100通り」の働き方を掲げ、2019年の『働きがいのある会社ランキング(Great Place to WorkR Institute Japan社)』の中規模部門で第2位を受賞したサイボウズ。しかし、今から14年前の2005年には社員の会社離れが深刻化。離職率は28%だったそうです。なぜサイボウズは社員の満足度が高い企業体質を実現できたのか?今回は人事本部 採用育成部 部長の青野誠氏に、その成功の秘訣をお聞きしました。


変わっていくことをいとわない
すべての情報を共有し、オープンな環境に

今から14年前の2005年、創業8年目のベンチャー企業だったサイボウズは、社員の会社離れが深刻化。当時83人いた社員のうち23人が次々に辞め、離職率は28%にまでなりました。

青野氏がサイボウズに入社したのがその翌年の2006年。
入社当時を振り返ると「会社の仕組みはもちろん、風土が昔と全く異なる」とのこと。

「例えば、評価の方法や働く時間の管理の仕方などを変え続けてきたんです。その際に意識していたのは『確定したものがこれです』と結果だけを伝えるのではなく、『今こういうことを考えています。意見はありますか?』と、作っている段階から社員に公開し、最終的に形になったら説明会を行うようにしていたことです。説明会では質疑応答が活発に行われます」と青野氏。

サイボウズでは、変化は急激なものではなく、常にアップデートを重ね、社員全員に確認しつつ、よりよい方向を模索していくというやり方だったため、その変化に違和感を感じるようなことはなかったそうです。

会社内の情報共有を重要視するサイボウズでは、オンラインによる情報の見える化を実践し、会社の経営状態や社内ルールをはじめ、あらゆる情報を社員全体に公開しています。ルールは、「プライバシーとインサイダー情報以外は公開する」こと。例えば、役員会や本部長会などの議事録も公開しているとのこと。

「私たちの会社では、変化していくなかで意見がある場合は、それを伝えなくてはいけません。それを『質問責任』と呼んでいて、質問責任は絶対に果たさないといけない。社員としての責任なんです。モヤモヤしていることがあるなら包み隠さずに『言う』ことが、ここでは正しい行為なんです。例えば本人が出す『働き方宣言』。『残業をしたくない!』という意見があれば包み隠さず『残業したくないです!』と宣言すればいい。宣言したものは、チームメンバーをはじめ、全社員が見れるようになっています」と青野氏は語ります。

変化や社内の動き、その全体に社員が関わるサイボウズ。
このような働き方、組織体制が可能になっているのは、圧倒的な信頼関係が基盤としてあるから。では、その関係はいったいどのようにつくられたのでしょうか?

大切している行動指針、
それは「公明正大」であること

部下が在宅で作業をする場合、多くの管理職は「ちゃんとやっているのか?」という疑問や心配を覚えるはず。しかし、サイボウズの場合は「あ、今日席にいないけど在宅勤務か。自宅でしっかりやっているんだろう」と考えているそうです。そこには、サイボウズが最も大切にしている行動指針がありました。

「『公明正大』というのがサイボウズの一番大切な行動指針です。これは繰り返し伝えますし、特に社長に至っては『アホは良いけどウソはダメ』と言い換えたりもします(笑)。いろいろなシーンで絶えず教えますね。だからこそ『公明正大』な行動をしなければいけないと入社してすぐ気付きます。もしも忙しすぎて新しい業務ができないのであれば、『できません!』と普通に言えばいいんです。できないことを伝えてもそれが短期的なものであれば、評価が下がることはありません。逆に公明正大じゃないことをやってしまうと、結構突っ込まれますし、評価が下がってしまうこともあります」と青野氏。

自分の言葉に責任を持ち、自分にも他人にもウソをつかず、隠しごとのない社風が社内にできあがったサイボウズ。気持ちよく働ける環境はこうやって一歩一歩、作られてきたのです。

会社といかに「気が合うか」
その見極めも重要視して溝を減らしておく

自分の言葉に責任を持つスタンスは、新入社員でも一緒。サイボウズでは募集時のエントリーシートに「なぜサイボウズに入りたいのですか?」というのを400文字程度で書いてもらうとのこと。

「結構嫌がられるんです(笑)。『書くのがめんどう』って。でも、サイボウズでは採用時点で共感度というのをすごく大事にしています。『なぜサイボウズなんですか?』って面接でもすごく聞くんです。なのでエントリーシートに志望理由を書けないくらいの共感度なら、お互いにあまり必要ではないかもしれませんよね」と青野氏。

その他、新卒に関しては仕事への意義を見出すために「あなたは何のために働きますか」という質問を入れることもあるそう。採用確定の前にさまざまな手法で仕事に関する価値観や考え方を見極めているそうです。

「夜に会社説明会を開催するときは、『キャリアBar』という仕組みをやっています。お酒を飲みながら部署の人とおしゃべりしてもらうんです。また、キャリアBarが外向け(採用向け)に対して、『仕事Bar』は社内向け。この場にビールとかピザとか持って集まる会議を会社のお金でやっています。例えば『人事制度について意見を聞きたいので、仕事Barやります。みんな来てください』って連絡すると、制度を考えたいのかお酒を飲みたいのかわからないですけど結構来てくれます(笑)。カジュアルな感じで結構好きなんですよね」と青野氏。

会社といかに気が合うか、サイボウズではさまざまな手法で仕事に関する価値観や考え方を見極め、社員との溝を減らしているのです。

社員満足度を高め
離職率は28%から4%へ

どんなに理想的な会社であっても、異動の希望や退職を考える人員は出るもの。そんな時、サイボウズではどんな対応を行っているのでしょうか。

「いろんな部署で1on1ミーティングっていうか…うちでは『ザツダン』と呼んでいるんですけど…。月に一回くらい、上長がチームメンバーと話す機会として設けています。そこで、人事に挙げておいたほうが良いと上司が思ったものは人事に挙がってきます。例えば『異動したいと言っています』とか。そういう時は必要があれば面談も行います。システマチックな感じではなく、割と一人ひとり、お互いに面と向かって話す機会を設けています」。

さらに、再入社可能な制度も用意。
「退職しても6年以内なら戻ってこられる『育自分休暇制度』があります。もともと退職することが悪いことだと思っていないのですが、これはもっと前向きな制度です。スキルをつけたいとか、新しいことに挑戦したいとか、そういうのは会社として応援したい。ぜひ育自分休暇制度を使ってほしいと思います」と青野氏は語ってくれました。

このようにサイボウズでは、異動の希望や退職を考える人は『悪い』と考えず、社員全員で応援する環境が整っているのです。

まとめ

管理という概念をほとんど持たないというサイボウズ。その分、あらゆるシーンで「キミはどうしたいのか」という選択肢を用意することを大事にし、伸び伸びと仕事ができる環境を常に仕掛けています。

強制させることが無いからこそ、社員は一人ひとり自分の行動・発言に責任を持ち、壁に当たった時には1on1ミーティングで話し合っていける、そんな環境が生産性の向上と社員の満足度の向上、双方にプラスに働いたのでしょう。

プロフィール

青野 誠(あおの まこと)氏

2006年早稲田大学理工学部情報学科卒業後、サイボウズ株式会社に新卒で入社。サイボウズと出会ったきっかけは、「社長の青野慶久と同姓だったから」。営業やマーケティング、新規事業立ち上げなどを経験後に人事部へ。現在は人事部での採用・育成・制度づくりと研修事業を行うチームワーク総研を兼務。2016年より病院保育などの事業を行うNPO法人フローレンスの人事部門にも参加し、複業中。自ら多様な働き方を実践している。

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